客の声に応えて生まれた小田島水産食品の酒場
「小田島水産食品」は、コガと呼ばれる杉樽で発酵、熟成させる伝統製法でイカ塩辛を作り続ける老舗。築100年を超える工場に併設する直売所では、多彩な塩辛を味見しながら購入でき、来店客から、「ご飯と一緒に食べたい」「お酒が飲みたくなる」と要望が寄せられていた。そこで塩辛のアレンジ料理を味わいながら酒が飲める空間を作ろうと、直売所内にカウンターやテーブル席を用意し、昨年「塩辛バル しおから亭」をオープンした。
自然発酵ならではのまろやかなコクが口に広がる「木樽仕込みいか塩辛」、3種類の唐辛子がピリリと味を引き締める「函館ハイ辛漬」、ユズやタカの爪を練り上げた福井県に伝わる薬味〝山うに〟の香りが爽やかな「山うに入りいか塩辛」…。一つひとつ説明を聞きながら10種類の塩辛を食べ比べると、香り、食感、旨みとそれぞれの特徴的な味わいに驚かされる。塩辛を調味料にしたアヒージョやパエリアなどの料理は、家庭でも手軽に再現できるものばかりで、塩辛の楽しみ方を広げてくれる一軒だ。
(ハコラク 2023年6月号掲載)
塩辛BAL しおから亭
函館市弁天町20‐7
☎0138‐22‐4312
8:30~19:00
(予約で22:00まで延長可)
無休 禁煙
P有り
クレジットカード利用可