あたたかな家庭の味で我が家のようにくつろぎ
心地よく酔いしれる
２０１９年オープンの「酒楽下北」は、着物を粋にまとい割烹着姿でカウンターに立つ松田和美女将が一人で切り盛りしている。かつて函館市内で居酒屋などを母や妹とともに営み、磨いてきた腕でふるまう酒の肴は、素材からこだわった手作り。懐かしい味わいのおばんざいや居酒屋料理が顔を揃える。一押しの「みそ貝焼」は、青森県下北地方名物の大きなホタテ貝を器にした玉子味噌。卵を３個使いフワフワに焼き上げ、しっかりとした味付けに酒が進む。地酒も豊富にあり、１本空くたびに異なる銘柄を口開けするので、訪れる度に新しい出合いがある。「一度、店に来たらみんな常連さん」と笑う松田女将の竹を割ったような性格や、故郷に帰った時のような居心地の良さに引かれて顔を出す常連客がともに談笑する様子は、一見客も溶け込みやすい優しい空気を生み出している。
（ハコラク ２０２３年３月号掲載）
酒楽 下北
函館市湯川町１‐２６‐２１
☎０８０‐６０７８‐００１３
１６：３０～２３：００
不定休
喫煙可
キャッシュレス決済利用可
おとなの名店探訪〈湯川〉⑧／酒楽 下北
松田女将は居酒屋を経営しながら、２５年近くも介護福祉士を勤めてきた経歴を持つ。同時に異なる仕事をこなしていた手際の良さで店を回している。
店の名物でもある「みそ貝焼」（小５００円）や、おばんざいの 「ねぎ味噌入油揚げ焼き」（６００円）が人気。
１６時半～１８時までの早い時間には、おばんざい３種類と飲み物２杯がセットになった「晩酌セット」（１，８００円）がおすすめで、この日は「肉じゃが」「イカの酢味噌和え」「ニシンのルイベ刺身」の３品が登場した。
松田女将の好きな月に模して、壁を満月のようにくり抜いた飾り棚。アレンジした花が飾られ、上品な雰囲気を醸し出している。
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