祖父が築いた看板を背負い
受け継ぐ思いを新たな味に
1945年、戦後間もない中島廉売で産声を上げた「太田かまぼこ」。市内のかまぼこ店で修業した太田幸次郎さんが創業し、一時はまな板の上で眠ったという逸話が残るほど多忙を極めたが、後継者の不在により2007年閉業。しかし同年、道産食材の通信販売会社「北海道かいこうマーケット」を立ち上げていた孫の寛人さんが、倉庫として店を使うためシャッターを開けると、営業していると思った客が次々と訪れ、「この店の看板には人々の思いが詰まっている」と実感。多くの人の支えがあり、2012年「太田かまぼこ」は復活を果たした。
店頭では昔ながらのスタイルでかまぼこや総菜を量り売り。創業の味「いか天かまぼこ」をサクサクの衣で包んだ「函館いかメンチ」は、寛人さんが常連客のアドバイスを受け考案した一品で、今では1番人気の商品に。「コロナ禍で大変な時期ですが、戦後はもっと厳しい時代だったはず。祖父が看板を築き上げたように、自分も新しいものを作っていきたい」と、100年続く味を目指している。
(ハコラク 2021年7月号掲載)
太田かまぼこ
函館市中島町25‐16(中島廉売内)
☎0138‐31‐0035
10:00~17:00
日・月曜定休
中島廉売共有P有り
キャッシュレス決済利用可