家族で支え守ってきた自然な甘みが体に優しい
明治生まれの麦芽水飴
四国から函館市に移住した砂子初二郎さんが、たんきりあめや水あめを製造したのが始まりとされる「砂子製飴」。現在駐車場になっている砂子ビルの1階部分もかつては工場として使用され、デンプンを麦芽酵素で糖化し大鍋で練り上げる、昔ながらの製法で水あめを手作りしていた。今年9月からビルや駐車場を管理する「砂子ビル」に社名を改め、事業の一つとして水あめの製造を続け、事務所の一角で商品を販売。あめ煎餅用のゴマ煎餅を仕入れる苫小牧市の協和製菓の商品も取り扱っている。
大根の蜜漬けや大学イモなど、昔は料理のため家に水あめを常備する人が多く、今でも一斗缶買いする人がいるという。最近では食品添加物を使わない体に優しい甘みが見直され、あめ煎餅は市内のホテルで宿泊室に置くお着き菓子としても使われている。60年以上店を支えてきた砂子靜枝さんに、昨年から作り方を教わっているという三男の妻・真由美さんは、「弱火で焦がさないようじっくり水あめを煮詰めながら、義母からこれまでの色々な話を聞けるのが嬉しい。今まで苦労して築いたものを守っていけたら」と語った。
(ハコラク 2024年1月号掲載)
砂子ビル(旧砂子製飴)
函館市若松町22‐15
☎0138‐22‐3526
9:00~15:00
土・日曜、祝日定休




