函館市南茅部地区の豊漁を祈願するイベント「南かやべひろめ舟祭り」(実行委主催)が5月31日、尾札部漁港で開かれた。6人1組で力を合わせる恒例の舟こぎ競争やステージイベント、グルメを目当てに大勢の市民らが訪れ、世代を超えて笑顔が広がった。
「ひろめ」はコンブの古い呼び名で、祭りは節目の40回目。開会式で実行委の坂田憲治会長(南かやべ漁協代表理事組合長)が「祭りが終わると、南茅部地区はコンブ一色のまちになり、その後は大謀網が盛漁期を迎える。各魚種が何事もなく今季の漁期を終えることを心から願っている」とあいさつ。あいにくの悪天候予想で、見どころの一つの装飾したいさり火船の披露は残念ながら中止とした。
同地区で水揚げした甘エビをふんだんに使い、地元のマコンブでだしを取った名物の浜鍋は、午前11時半からの販売を前に100人以上が並ぶ盛況ぶり。400食以上を提供し完売した。漁港周辺には露店やキッチンカーも数多く出店した。
舟こぎ競争には合計で33チーム、約200人が出場。各チームが「そーれ!そーれ!」などと掛け声を出しながら、真っすぐ船を進め早々とゴールするチームや、うまく進めず隣の船と接触するチームも。また、元プロ野球選手の杉谷拳士さんや大泉潤市長も参加してレースを盛り上げた。七飯町の公務員、平松華子さん(25)は手作りのうちわを持って同僚を応援。「同僚の3度目のレース挑戦で、1位でゴールしたので自分もうれしい」と喜んでいた。(竹田 亘)