函館市は今年度、函館空港国際線の就航需要に対応するため、新たに道や空港所在自治体、空港会社と連携し、グランドハンドリング(地上支援作業)の人材確保に乗り出す。新千歳空港を除く道内5空港とスタッフをシェアできる体制を整え、全道規模で航空路線の拡充につなげる。
市によると、航空業界を取り巻く状況は、新型コロナウイルス感染拡大時に行動制限が掛かり影響を受け、函館空港でもグランドハンドリングスタッフの退職が相次いだ。
コロナ禍後の現在もスタッフ不足は全国的な課題で、新規就航が未確定な段階で企業が余剰人員を抱えることは、人件費が膨らみ経営的な厳しさがある。就航が具体化する際も空港側が人手不足で受け入れられず、運航につながらないことや、インバウンド(訪日外国人客)需要の急激な高まりもあり、体制が追い付いていないのが現状だという。
スタッフをシェアできる体制づくりは、他空港と一体となり就航機会を逃さないようにするのが狙い。まず、スタッフを函館空港と旭川空港で確保し、今後の増便へ対応するほか、帯広空港や釧路空港、女満別空港、稚内空港でチャーター便などが運航する際に確保したスタッフを派遣し、協力し合う仕組みとする。
体制づくりにあたり、関係者が今月5日に札幌市内で実行委を立ち上げる会議を開き、取り組みをスタートさせる。函館市からは田畑浩文副市長が参加する。
市は「道内空港受け入れ体制整備実行委」の負担金として、今年度予算に1000万円を措置した。
市港湾空港振興課は「人材確保を図り、一層の函館空港国際線の増便につなげ、経済波及効果を広めたい」としている。(竹田 亘)