鍼灸と免疫について
鍼やお灸を行うと、皮膚の局所に紅斑が見られます。血管が拡張し、血液の循環が良くなり、血管を流れる血液量が増加します。血液循環が良くなると、体の免疫力を向上させます。皮膚を介して筋肉へ鍼灸刺激を与えると、それに対応するセンサーが感知し、脊髄や脳が反応します。刺激を伝える神経と伝わる神経のネットワークを良くするため、さまざまな神経伝達物質があり、血管を拡張する神経に働きかけます。
免疫とは、自分以外の異なる物質から自分を守るための、生体防御のことです。血液中の白血球は、細菌や異物が体内に侵入した時に近づき、取り込んで分解消化し、体を守ります。白血球の中で最も多い顆粒球は、細菌や古くなった細胞の死骸などのサイズの大きい異物を処理します。顆粒球が増えすぎると化膿性の炎症や、組織を破壊して、口内炎、胃潰瘍、ニキビなどになりやすくなります。これらは自律神経の交感神経がコントロールしています。次いでリンパ球が多く、自分の抗体バリアを作り、自分以外の抗原異物を攻撃し、ウィルスなどの微小なサイズの異物を処理します。リンパ球が増えすぎると、漿液性の炎症やアレルギー反応を起こし、花粉症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎になりやすくなります。これらは自律神経である副交感神経にコントロールされています。白血球の中で最も少ない単球マクロファージは、肺、肝臓、リンパ節など、微生物の出やすい部分に多く分布されています。大きいサイズの異物を処理しリンパ球に対して抗原を認識、記憶させます。
鍼灸施術の心地良い刺激で、活動の状態である交感神経と活動に備える状態の副交感神経に作用する神経伝達物質を放出させ、自律神経の増減のバランスを整えることができれば、細菌やウィルスにも負けない免疫力に繋がっていくかもしれません。
(ハコラク 2020年6月号掲載)
鍼灸整骨
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