家族で守る変わらぬ味が時代を超えて人々を惹きつける
塩ラーメンから天津飯まで豊富なメニューが並ぶ「福々亭」。店主の福士正勝さんは、東京で修業した中華の料理人。かつて大門地区にあったさいかデパートのレストランで腕を振るっていた際、ウエートレスとして働いていた妻・はぎ代さんと出会い結婚。1976年に夫婦二人三脚で店を立ち上げた。当時の函館港には北洋漁業の船が数多く停泊し、店の前は祭りのような人通りの多さだったという。現在は長男の正人さんも店の味を受け継ぎ、家族3人で店を切り盛りしている。
創業から続くメニューの中で「広東メン」と双璧の人気を誇るのが「あんかけ焼きそば」。ほんのり香ばしい麺にたっぷりと絡むしょう油あんは、約5時間かけてじっくりと仕込むスープの旨味が感じられ、食べ終えてからも心に残るやさしい味わい。どんなに時代が変わっても守り続けてきた味は、学生時代から通い今では孫を連れて来る人や帰省の度に欠かさず顔を見せる人など、多くの人々にとってかけがえのないものとなって愛されている。
(ハコラク 2020年9月号掲載)
福々亭
函館市大町8‐15
☎0138‐26‐9386
11:00~19:00
(祝日は18:30まで、
第2・4・5日曜は14:00まで)
第1・3日曜定休
禁煙 P有り(11台)