道南の食材に恥じない料理を作り関わる人全てを幸せにしたい
本町で暖簾をあげ43年。いけすを泳ぐ天然活魚をはじめ、地元で取れる飛び切りの食材を板前の技で仕上げる「魚来亭」。2代目として腕を振るう久保店主は、山形、大阪、東京と各地で修業を積み6年前に故郷に戻って来た。「自分と関わった人たち全てを幸せにできるような料理人になりたい」と話し、客はもちろん生産者や取引業者、料理人仲間との繋がりを大切に築く中、感じているのが函館の街の底力。「道南は食材王国。農作物から酒造りまで、熱い思いを持って丁寧な仕事をする人が沢山いる。それに見合う料理を作りたい」と、素材の味が生きるシンプルな料理で、地元の魅力を伝えている。ほんのりテングサが香る手作りところてんには新物の松前町産岩のりを添え、トラピストバターで焼いた七飯町あかり農場産の豚肉は、大沼の陶芸家の皿で提供。「この街にはこんなにおいしいものがあるんだよ」。そう語りかけてくるような久保さんの料理は、ひと口味わうごとに幸せな時間を届けてくれる。
(ハコラク 2019年10月号掲載)
郷土風味 魚来亭
函館市本町22‐11 グリーンエステートビル1F
☎0138‐53‐7755
11:30~14:00(13:30L.O)
17:00~23:00(22:00L.O)
日曜定休
ランチのみ禁煙
クレジットカード利用可