飛び切りの握りから宴会料理まで
先代が築いた味を大切に守り この地に店の名を残す
1954年に大森町で創業し、5年前惜しまれつつ閉店した「さかえ寿し本店」。最盛期は13店にのれん分けされ、現在は4店舗が函館市内でその名を受け継ぐ。大門地区に立つ「さかえ寿し高砂通り店」は、本店で15年間修業した初代大将の対馬秀也さんが1976年に立ち上げた店。当時は何人もの職人がカウンターに並び、和食の料理人も在籍。飛び切りの寿司ネタと長年伝わるオリジナルの料理で、地元の常連客をはじめ観光客からも親しまれてきた。
「シャリに空気を含ませ、口に入れた時に解けるように握る。これは長年の経験が成せる技で、対馬大将の握りはすごい」と話すのは、2017年から2代目として店を任されている黒羽靖宏さん。高校卒業と同時にこの店で修業を始め、寿司を握れるようになるまで8年近くかかったという厳しい世界だが、「先輩方に恵まれて大変だったという記憶はない。この店がここまで続いてこられたのは対馬大将の人柄のおかげだと思います」ときっぱり。手際良く握られる寿司はどれも顔がほころぶ味わいで、「長く店の名を残していきたい」と先代が築き上げた味をしっかりと守っている。
(ハコラク 2019年12月号掲載)
さかえ寿し 高砂通り店
函館市松風町20‐5
☎0138‐23‐2471
11:30~14:00、17:00~23:00
不定休
喫煙可 P有り(5台)
キャッシュレス決済利用可