手間暇惜しまず閉じ込めた旨みがシンプルに引き立つ
イタリアンやフレンチの要素に和のエッセンスを添えて、ジャンルにとらわれないアラカルトからコース料理まで味わえる「matsu」で、オープン当初から提供している「ひこま豚」の肩ロース。地場食材を大切に腕を振るう松浦真己オーナーシェフは、マリネして一晩寝かせた豚肉をスペイン製の専用機器で低温湯煎。骨や筋に詰まった旨み成分まで余すことなく閉じ込めるひと手間を欠かさず続けてきた。香ばしく焼き目を付け、オーブンで仕上げるロースト(単品1650円・税別、写真はコース用のためハーフサイズ)は、レア感の残る美しい〝ロゼ〟色。一口食べれば豚肉のイメージを覆すやわらかな食感に驚かされ、程良い塩気と山ワサビのシンプルな味付けが、厚切りながらクセを感じさせない肉の味わいを十二分に堪能させてくれる。
(ハコラク 2019年9月号掲載)
matsu
函館市梁川町18‐3 ハイルックビル1F
☎0138‐85‐6332
18:00~23:00
(日曜・祝日は22:00まで)
不定休 分煙