新型コロナウイルスの感染拡大を受け、来店客の減少に苦しむ函館市内の飲食店の間で、持ち帰りや配達に活路を見出そうとする動きが広がっている。SNS上では、各店が持ち帰りメニューをPRしようと、「#函館テイクアウト」のハッシュタグを付けた投稿も目立つ。
(金子真人、飯尾遼太)
とんかつ専門店「とんき」大門店(松風町)、五稜郭店(五稜郭町)、姉妹店の「がっつり追分店」(北斗市追分2)では、弁当など約50品のテークアウトと配達(2500円以上、原則的に旧函館市内、北斗市、七飯町)を行っている。
ボリューム満点の「ロースかつ弁当(100グラム)」(900円)や「ロースかつ丼」(900円)、「ロースカツサンド」(750円)が売れ筋。ほかにも、カレーやエビフライ、ハンバーグなど多彩なメニューを用意している。
運営会社統括の川上準平さんは「注文を受けてから作るので、揚げたてサクサクの当店自慢のとんかつが家庭でも楽しめます」と話している。配達受け付けは午前10時~午後8時。大門店(0120・22・3998)、五稜郭店(0120・32・3378)、がっつり追分店(0120・49・3998)へ。
「本格海鮮居酒屋 地元家函館本店」(本町5)は2日から、弁当や居酒屋メニュー約30品のテークアウトと配達(2000円以上、原則的に旧函館市内限定)を始めた。
道産牛ヒレ肉をレアで仕上げた一番人気の「牛フィレかつ弁当」(1000円)や「ザンギ弁当」(650円)などの弁当メニュー8品のほか、焼き鳥の串盛り(1000円)やカニクリームコロッケ(2個、500円)といった居酒屋メニューも取りそろえている。
同店運営会社の稲場康祐社長は「外出もままならない人たちの役に立てたらと思いテークアウトを始めた。価格も抑えているので利用してもらえたらうれしい」と話している。
日曜定休。注文の受け付けは午後3~8時、受け渡しは同4~9時。予約、問い合わせは同店(0138・55・1777)へ。
「ら~めん若大将」西桔梗本店(西桔梗町)と北美原別邸(北美原1、トライアル北美原店敷地内)の両店では、テークアウトの通常メニュー100円引きのキャンペーンや期間限定のメニューを展開している。
チャーハン(750円)などの通常メニューを100円引きで提供しているほか、期間限定で8種類の弁当を追加。お薦めは両店で内容の違う「マル得弁当(スープ付)」(830円)で、西桔梗本店は「チャーハン、シューマイ3個、春巻1個」、北美原別邸は「チャーハン、からあげ3個、ギョーザ3個」。
三浦篤店主は「ボリュームたっぷりで学生さんでも満腹間違いなし。オーダーを受けてから作るので出来立てを味わえます」とPR。注文の受け付けは、西桔梗本店(0138・83・7722)が午前11時~午後9時。北美原別邸(0138・84・1512)が午前11時~翌午前0時。
「まるたま小屋」(元町2)は、焼きピロシキやスープなどロシア、ウクライナ料理をテークアウトで販売している。
ロシアで一般的な焼きピロシキを提供する同店では、生地に道産小麦を使い、エゾマイタケとエゾシカ肉を入れた「エゾエゾ」(300円)、コリアンダーやクミンといったスパイスを利かせた「スパイシートマトラム」(同)など多彩にそろう。道産ビーツや野菜を豚肉とともに煮込んだ「赤ボルシチ」(400円)はピロシキとのセットで300円、鍋の持参で30円引きとなる。
同店の北見伸子オーナーは「外に出にくい状態だが、テークアウトで本場の味を楽しみ、気分転換してもらえたら」と話している。営業時間は午前11時~午後6時。火、水曜定休だが、13日は臨時休業。問い合わせは同店(0138・76・3749)へ。
「和風料理 旬暦ひだか」(中道1)は、種類豊富な弁当をテークアウトで店頭販売するほか、弁当3個以上の注文で、旧函館市内の範囲での配達も受け付ける。
同店の一押しはエビフライやカキフライ、牛肉のソテーなどボリューム満点のおかずが入った洋風幕の内弁当(972円)。このほか、すきやき弁当(756円)やハンバーグ弁当(同)など和洋折衷14種類の弁当を取りそろえる。メインのおかずを引き立たせる副菜は日替わりで、旬の食材を使い、一品一品手づくりにこだわっている。
同店の中山竜次代表は「手づくりの味をぜひ楽しんでほしい」と話している。販売時間は午前11時~午後2時、午後4~7時。第1、3水曜定休。店頭受け取り、配達ともに事前予約は不要。問い合わせは同店(0138・31・5077)へ。