自動車用品卸売業のソヴリン(名古屋市、村瀬啓方社長)は24日、函館市船見町の歴史的建造物「旧ロシア領事館」を改修工事した宿泊施設「HOTEL白林(びゃくりん)HAKODATE」の領事館棟の完成を記念したお披露目会を同館で開いた。ホテル開業を前に館内を無料で見学できるとあって大勢の市民らが訪れ、完成後120年近い建物が新たに生まれ変わった姿に見入った。
同社は2021年3月、市から旧ロシア領事館を購入。約2年の工事を終え、今年5月3日からレストランとバーを先行オープンするほか、増築するもう1棟のウェルネス棟を完成させ、7月12日に本格的に開業する。
お披露目会開始の午後2時を前に、同館前には130人を超える人が集まり、幸坂に行列ができるほど。同社の河原大輝総支配人は「私たちは函館の皆さまの手によって、大切に守られてきた旧ロシア領事館の改修工事を慎重に進めてきた。これから皆さまとともに時代を歩んでいきたいと強く願っている」とあいさつ。長谷山裕一支配人は「このプロジェクトに関心があるだけでなく、建物(旧ロシア領事館)を愛する人がこれほどいるのだなと、改めて感じる」と力を込めた。
来館者はスマートフォンで動画を撮影するなど、館内のあらゆる場所を興味深く見学。スタッフからクッキーやドリンクが振る舞われ、往年の美しい面影が残る館内で味わった。
友人と訪れた東山3の木村一枝さん(72)は「外観だけは見ることがあったが、高級なホテルはすてきだった。宿泊しなくてもレストランやすし店を利用できると聞いたので、利用してみたい」と話していた。(竹田 亘)