マルカツ興産(函館)が函館港内で運航する観光遊覧船ブルームーン(199トン、定員200人)は、昨年10月にエンジントラブルが発生し、運航できない状態となったが、春の大型連休に間に合うよう新たな船を導入した。26日から今年度の運航を開始する。
同社によると、新たに導入した船は20年ほど前に建造され、2019年からは北陸曳船(石川県七尾市)が、七尾湾での花火大会やイルカウォッチングなどの際に観光遊覧船として不定期運航していた「幸進丸」(160トン、定員300人)が前身。
昨年1月に発生した能登半島地震によって使用していた岸壁が損傷し、運航再開の見通しが立たなくなり営業を断念したが、新たな船を探していたマルカツ興産が、中古船舶仲介業者を経由して取得した。
3月に函館港へ到着し、船名をブルームーンへ変更したうえで、船体の塗装を魚や車、函館の名所などのイラストを散りばめたものへ変更。18日に造船所から遊覧船乗り場へ移動し、26日の就航に向け準備を進めている。
同社は同船の導入に関して「先代のブルームーンは故障した古いエンジンの修理ができないとの話がメーカーからあったため、手ごろなサイズの中古船を探して購入した」と説明。「春の観光シーズンに間に合った。船内は大きな改装はせず、以前のような船上でのパーティーはできない純粋な観光遊覧船となったが、市民や観光客にも、運航再開を喜んでほしい」としている。(市丸和秀)