函館市が22日に発表した2017年度の観光入り込み客数は524万7000人で、北海道新幹線開業効果で過去最高を記録した前年度を6・4%下回った。一方、外国人宿泊客数は前年度比23・9%増の50万2000人で、2年連続で過去最多を更新。市は国内外でのプロモーションなどに引き続き力を注ぎ、目標に掲げる「20年度までに600万人」の観光客数を達成したい考えだ。
入り込み客数は6年ぶりの前年割れとなったが、1955年の統計開始以降では過去9番目の高水準。上期は観光のピークとなる7~9月で、前年から2割を超える落ち込みがあったものの、下期(10~3月)は外国人客に支えられ、同4・1%減の186万4000人と、過去最多の昨年に次ぐ数字となった。
交通機関別では、鉄道が同11・7%減の122万人。新幹線開業年の反動で減少したが、おととしの在来線との比較では22%上回った。バスは同10・9%減の213万3500人、乗用車は同2・4%減の89万500人。クルーズ船の入港が増えた船舶は同17・7%増の30万7900人、航空機は同5・7%増の69万4900人で、バニラ・エアの成田線就航などが全体を押し上げた。
外国人宿泊客数を国、地域別にみると、直行便が就航する台湾が同25・8%増の27万7606人、中国が同2・1%増の8万2782人で、台湾・中国で全体の7割を占めた。タイ(同1・7倍)やインドネシア(同1・8倍)など東南アジアの伸びも目立ち、市観光企画課は「昨年のトップセールスが奏功した」と分析する。
重要施策として「フェスティバルタウン」を掲げる市は、年間の多様なイベントを通して交流人口の増加につなげたい考え。同課の根本弘樹課長は「ウェブサイトでの情報発信のほか、他都市と連携した周遊ルートの造成に粘り強く取り組み、観光客の増加につなげたい」と話している。(山田大輔)