北海道商工会議所連合会(道商連)と函館商工会議所などによる外国人受け入れ環境の点検事業が1日、函館市内と近郊で始まった。道内の大学に通う4人の外国人留学生を招き、建物内の案内表示のわかりやすさなどを確認。新函館北斗駅では、多言語対応や乗り換え案内のサインについて改善を求める意見が出され、3月26日の北海道新幹線開業を前に課題が浮き彫りとなった。
年々増加する海外客の受け入れ環境整備につなげようと初めて企画。新幹線開業で観光客の増加が見込まれる道南の商業、観光施設を舞台に2日間の日程で行われる。
この日参加したのは、札幌国際大学などに通う男子1人と女子3人で、国籍はタイ・台湾・韓国・香港。留学生は同駅で小松義和副駅長の説明を聞きながら、熱心にチェックシートにメモを取っていた。
続けて北斗市総合分庁舎で行われた意見交換で、タイの女子留学生パックティダー・ナワウィチャーボーンさん(25)は「英語が話せないタイ人もいるので、現在の4カ国語表記では不安。土産店も免税対応するべきだ」と指摘。香港の女子留学生リョウ・ホウヘイさん(23)は「案内サインにイラストがあるのは良いが、小さい。駅の1階に列車の運行情報などを知らせるパネルがほしい」と提案した。一行はこのほか、函館市内のホテルでチェックイン業務などを確認した。
道商連の長野州一事務局次長は「満足度を上げないと、外国人客のリピーター獲得につながらない。留学生の意見を参考にしながら関係機関と連携し、案内表示などの分かりやすさを追求したい」としている。
2日は函館朝市や金森赤レンガ倉庫などを訪れるほか、函館バスの元町・ベイエリア周遊号に乗車して、点検作業を行う。(山田大輔)