クラシックコンサートの舞台裏を紹介する「コンサートができるまで」(函館市文化・スポーツ振興財団主催)が16日、函館市民会館で開かれた。親子ら約70人が参加。企画立案から舞台設営の様子、鑑賞マナーなど、さまざまな視点から演奏会の流れを分かりやすく解説した。
公共ホールの運営の様子を知ってもらおうと初めて企画した。同財団職員がコンサート開催決定までの仕事として、出演交渉から内部の会議、宣伝といった裏方の様子を写真で紹介。大ホールでは照明や反響板の設置など、音楽用舞台への転換作業を見学した。
また、市川須磨子館長によるマナー講座では、▽余裕を持って来場する▽携帯電話は使用しない▽荷物は足元に置くかロッカーに預ける-の3点を注意事項に挙げた。市川館長は「携帯電話の画面の明かりは後ろの座席からはっきりと見える。荷物の袋の音も響きやすい。ほかの客や演奏者の迷惑になってしまう」などと話した。
舞台の準備が整い、開演したコンサートは、函館で活動する渡辺拓也さんと桜井由紀子さん(バイオリン)、佐藤奨さん(ビオラ)、菊地加緒里さん(チェロ)が出演。弦楽四重奏で「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(モーツアルト作曲)、「君をのせて」(久石譲作曲)などを演奏した。参加者は出演者の後方から演奏の様子を眺めるなど、普段とは違ったコンサートを体感した。
函館日吉が丘小学校4年の松尾青空(そら)君(9)は「舞台が区切られていることを知ってびっくりした。演奏はすごくきれいな音で楽しかった」と話していた。(今井正一)