がんと私と薬剤師
~外来がん治療における薬剤師の役割~
「患者さんが普段と変わらず、自分らしい生活が送れるよう、副作用や痛みを軽減させたい」という思いで、抗がん剤治療を受ける患者さんをサポートする業務を日々行っています。
最近の抗がん剤治療は、外来で行われることが多くなっています。外来での治療は、抗がん剤投与を受けながら、仕事や家事などを続けることができるというメリットがある反面、自宅で副作用が現れた場合には、自身で対応する力が必要となってきます。
外来業務として、医師の診察前に、薬剤師が患者さんと面談を行い、副作用はないか、痛みはないか、辛い症状はないか、などを確認した上で、副作用の対応方法の説明や対応するために必要な薬を医師に提案したり、普段の生活や食事に関するアドバイスを行ったりしています。その中で、患者さんや家族の不安な気持ちや訴えを丁寧に聞き、その旨を医師やほかの医療職種に伝えることができるよう、橋渡しできるように取り組んでいます。
先日、患者さんから「丁寧に話を聞いてくれてありがとう。安心して治療ができるし、こうやって治療を続けられるのもあなたがいてくれるから」と感謝の言葉をいただき、胸が熱くなりました。この経験をさらに、多くの患者さんに還元することを目標としていきたいと思います。
今年4月から、患者さんのお薬手帳に、治療スケジュールや副作用の発生状況を記載しています。調剤薬局の薬剤師への情報提供のためです。調剤薬局では、院外で処方された抗がん剤を調剤するだけではなく、自宅で過ごす患者さんをサポートしていく必要があります。しかし、患者さんの治療内容などを知る方法が限られており、十分なサポートを行うのが困難な状況です。
外来での抗がん剤治療が広まる中、病院と調剤薬局の連携を強化し、今以上に医療職種全体で、患者さんとその家族のサポートを充実させていきたいと強く思います。
(ハコラク 2022年1月号掲載)
函館中央病院
函館市本町33-2
☎0138-52-1231(代)
http://www.chubyou.com/
■診療科目/内科、消化器内科、腫瘍内科、循環器内科
小児科、外科、整形外科、形成外科
心臓血管外科、皮膚科、産婦人科、耳鼻咽喉科
歯科口腔外科など全26科目
■受付時間/8:30~11:30
13:30~16:00
※土曜は午前のみ。診療科や時間帯によっては要予約。
■休診日/日曜・祝日・年末年始