紺碧の日本海の海岸線沿いに奇岩がずらり 土産にはクリーミーなヨーグルトを
八雲町熊石地区からせたな町へと続く海岸線、熊石漁港西方向の岸壁近くにアイヌと松前藩の戦いにまつわる伝説が残る「奇岩雲石」へ立ち寄る。町の天然記念物に指定されている文字通り雲形をした岩で、その上に建立された「八雲神社」の厳かな雰囲気に圧倒される。
せたな町大成区への玄関口・長磯海岸は、日本海ならではの岩礁地形、固い岩盤の地層が長年、波の浸食を受けてできた奇岩が連なる見どころ満載のドライブコース。抜けるように青い空、青い海を背景に奇岩が多数並ぶ様子は、自然が作り上げたアートギャラリーのよう。この世で結ばれなかった相思相愛の娘と漁師が姿を変えたといわれる「夫婦岩」、子熊に対する親熊の愛の深さを感じられる大成区のシンボル「親子熊岩」、ユニークな「タヌキ岩」と、それぞれに親しみやすい名前が付けられ、季節や時間で異なる表情を見せるので興味が尽きない。名前に寄せた物語や伝説も多々あり、看板をチェックするのも楽しい。
国道229号線沿いののぼりに誘われて「よーぐると工房バウ」へ。自家牧場・細川牧場の牛乳を100%使用した農家手づくりの無添加フレッシュヨーグルトは、酸味を抑えたクリーミーな味わい。20年ほど前、門脇夕佳代表の母・細川和子さんが自宅用に作っていたヨーグルトを、友人知人に分けていたのが始まりで、徐々にファンを増やし「売ってほしい」との声が寄せられるようになり、2年ほど前に販売をスタート。味にこだわり、親子で力を合わせて改良を重ねたヨーグルトはとろみが強く口当たりもすっきりしていて、土産にもぴったり。民家のリビングを改装した売り場スペースにテーブルと椅子を設けてあり、購入がてら小休憩。朗らかな門脇代表、細川さんとの会話も弾む。
「浮島公園」へ向かう途中、飛び立つサギを見掛けて思わず歓声をあげる。道南八景に選定されている「うぐい沼」は季節ごとに色を変え、今は青々とした木々の緑が鮮やか。遊歩道をゆっくりと歩きながら眺める、風に揺れ湖面に漂う大小十数個の浮島は、見ていて飽きない。
(ハコラク 2019年8月号掲載)
せたな町北桧山区若松418
☎080‐5407‐1985
10:00~20:00
月・火曜のみ営業(営業日以外も予約の場合は対応)
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