手料理を肴に存分に酒を味わい軽妙な姉妹の掛け合いに笑顔が咲く
煌々と輝く電飾に照らされた長のれんを、大黒通り沿いで静かに揺らす「ペンションと居酒屋の大黒亭」。料理好きな高井啓子さんが30年前に始めたこの店には、夜な夜な地元客が集う。ずらりと並ぶ毛筆の品書きには、サンマやツブの刺身、山から採ってきたフキノトウを味噌と煮る「ばっけみそ」など酒が進む一品はもちろん、ご飯にもぴったりのボリューム満点な料理が豊富。「おかえりなさい」と迎えられた常連客は、「お腹が空いたらいつも来る。ここのママに育てられているようなもの」と裏メニューの半熟卵ごはんをかきこんでいた。接客を担当しているのが〝みーちゃん〟こと妹の三谷美恵子さん。「たくさん来てくれないと儲からないわ」と冗談混じりに話す啓子さんの横で、「本当はいっぱい飲んで欲しいけど、健康も心配になるから3杯位がちょうど良いよって言って営業妨害しちゃう」と美恵子さんがニコニコ。軽妙に交わされる姉妹のやりとりは〝来た人に喜んで欲しい〟という愛情に溢れていて、家庭的であたたかな味に舌鼓を打ちながら2人との会話を楽しめば自然と笑顔にさせられる。店の裏には啓子さんが経営するペンションもあるので、上機嫌でつい飲み過ぎてもそのまま泊まれる至福が待っている。安心して羽を伸ばせる大人たちの憩いの場だ。
(ハコラク 2019年7月号掲載)
ペンションと居酒屋の 大黒亭
函館市弁天町13‐3
☎0138‐23‐0349
18:00~23:00
(客入りにより早く閉める場合有り)
日曜定休 喫煙可 P有り