ほんのり酸味の利いた辛さが
スペシャルティコーヒーと好相性
函館公園入口近くの「Ｊ．Ｂ．ハウス」は１９７８年開業のジャズ喫茶。スピーカーやレコード、漆器のカップなど、〝さりげなく良いもの〟が揃う店内に、塚田保マスター厳選のジャズ音楽が流れ、サイフォンで丁寧に淹れるスペシャルティコーヒーの香りが漂う。パスタやハヤシライスなど用意しているフードメニューの中でも「ＪＢ辛口カレー」は、オープン以来根強い人気を誇る一皿。時代に合わせ少しずつ味を改良してきたと言い、家庭のカレーをベースにスパイスを加えて辛口に調え「煮込むことでしか出せないコクがある」と、３日間じっくり火にかける。頬張った瞬間、口の中にまず広がるのはスパイスの強い香りと刺激的な辛さ。後から追い掛けてくるルウに溶かし込んだ野菜の甘味がクセになる。食後のコーヒーにはカレーに合わせてチョイスしたやや深煎りの「ケニア」がベストマッチ。コーヒーのほろ苦さが、カレーのコクを再び思い出させてくれる。
（ハコラク ２０２３年４月号掲載）
Ｊ.Ｂ.ハウス
函館市青柳町１９‐４
☎０１３８‐２７‐１５３６
１１：３０～２２：００
月曜定休
禁煙 Ｐ有り
喫茶店の気になるカレー②／Ｊ．Ｂ．ハウス 『ＪＢ辛口カレー』
「ＪＢ辛口カレー」（７５０円）は仕込みに時間も手間も掛かるため、１日５食限定で提供。注文を受ける時に必ず「かなり辛いですよ」と一言添えるようにしているという。
塚田マスターは「点と点をつなげて線を延ばしていくように、人と人とのつながりを大切にしていきたい」と話す。ジャズを聴きながら、希少なシングルモルト・ウイスキーで心地よく酔える店として外国人観光客にも人気。
白い壁と天井にこげ茶色の床や梁、磨き込まれて艶を放つ木のテーブルとイスが並ぶモダンな印象の店内。
朱色が映える漆塗りのコーヒーカップは、唇に当たる感触も優しく、ほっと心も緩む。
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