函館市湯川町1の「花びしホテル」(西村有人社長)は、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録に向け、縄文土器作り体験やタクシー会社と連携した観光ガイドなどさまざまな取り組みを企画している。新型コロナウイルスの影響で観光需要が低迷する中、世界遺産登録を需要回復の追い風としたい狙いだ。
同ホテルでは縄文遺跡群の世界遺産リストへの登録勧告後、今月に入り、登録決定を祝福ムードで迎えようと館内イベントを企画。
8月1、15の各日は、山の手2の陶芸教室「函館バウハウス工房」から講師を招き、縄文土器作り体験を実施。粘土を使い、縄や貝の文様が入った縄文前期の土器を制作し、後日焼き入れして自宅に配送する。また、ホテル利用者の縄文遺跡群へのアクセスとして、「函館タクシー」と提携し、遺跡を巡る観光コースも用意。事前予約で現地ガイドによる案内も受けられる。
売店では縄文にちなんだ土産菓子などを集めたコーナーを設置。構成遺産の一つ、大船遺跡をあしらった限定デザインの「はこだてわいん」も販売し、売り上げの一部を遺跡群の保存整備などの支援金として市に寄付する。
同ホテルでは各種企画を盛り込んだ宿泊プランも販売しており、西村社長は「市内から世界遺産に選ばれることは非常に喜ばしい。登録は観光需要の回復に期待が持てる」と話している。(飯尾遼太)