百貨店の旧三越函館店跡に「十字屋ホテル」(函館市五稜郭町32)が9日に開業する。三越の店舗だった扇型状の建物を生かし、24室を用意。和泉孝平支配人は「宿泊客とフレンドリーな関係をつくれるホテルにしたい」と話している。
同ホテルは、ホテルエスパル(千代台町26)を経営する「函館十字屋」(林一彦代表)が運営。約9000万円かけ、内部を改修した。
コンクリートむき出しの床や天井が特徴で、客室内の天井が高く、一部の客室は窓も広い。和泉支配人は「建設当時に書かれたと思われる梁の図面や印をそのままにした。建物の歴史も感じてほしい」と話す。
建物は行啓通の交差点に面し、五稜郭公園や本町の飲食店街に近い。1988年に開店した三越は2005年に閉店。その後は信販会社、マンションのショールームとして使われたが、近年は空き店舗となっていた。
客室はシングル21室、ツイン3室。大手グループのホテルなどが近接しているが、「スタッフの顔が見えるホテルとして、差別化を図る」としている。
月内の宿泊料金は平日1泊4000円前後。7月以降は5000~7000円。問い合わせは同ホテル(0138・86・5658)へ。(深津慶太)