今月31日に閉店するJR函館駅前の老舗百貨店「棒二森屋」(若松町)の最後の週末営業初日となった26日、同店での最後の買い物や子どものころに訪れた思い出のレストランで食事を楽しもうとする多くの家族連れらでにぎわった。
同店では「売りつくしセール」が行われており、この日は駐車場が午前10時の開店から常に満杯状態。直営店やテナント店ではほとんどの商品を割引価格で販売しており、中でも本館1階のバッグ売り場には最大で7割引きの商品も並んでおり、買い求める人でごった返していた。
本館7階の「レストラン和家」も開店から長蛇の列ができ、家族連れらがパフェやラーメンなど思い出のメニューを味わっていた。また、レストラン入口では「さよなら、棒二森屋」と題した写真展が開かれており、1937年の開店当時から現在までの同店の建物や駅前の様子を収めた写真36点のほか、棒二の歴史を伝える映像がモニターで上映されており、来店客が思い出話に花を咲かせていた。
妹夫婦と訪れた帰省中の神奈川県藤沢市の主婦、中西啓子さん(64)は「帰ってくるたびに函館の景色は変わっていくけれど、子どもの頃からお世話になっていて、家族で食事や買い物をした思い出のある棒二さんがなくなるのは寂しい」と話していた。(金子真人)