JR函館駅前の老舗百貨店「棒二森屋」は3日、互福稲荷神社がある屋上を開放した。1月末の閉店を前に今回が最後の公開となったため、大勢の参拝客が思い出を懐かしみながら手を合わせた。
同神社は、1938年(昭和13年)に商売繁盛にご利益があるとして現在地に設置。4月~10月の各月12日(ボーニの日)や年始などの限られた時間に開放し、参拝者が訪れていた。
この日は、参拝を待つ人で大行列ができ、別れを惜しむ人でにぎわったほか、屋上で景色や記念撮影を楽しむ人も見られた。
夫婦で訪れていた新川町の福本忠司さん(75)は「子どものころ親に連れられてよく来ていた。屋上にあった映画館で映画を見たり、たくさんの思い出がある」、妻のアヤ子さん(75)は「デパートはお祭りより楽しいところだった。閉店してしまうのは、残念で寂しい」と話していた。(木村京子)