函館市本町24の再開発ビル「シエスタハコダテ」が22日で開業1カ月を迎えた。市経済部商業振興課によると、4階の函館コミュニティプラザ(Gスクエア)には4月22日からの1カ月間で延べ約9万人が来館。人出の増加で周辺の商業施設にも経済波及効果がみられ、地元商店街は同ビルと連携したイベントを企画し、さらに地域を盛り上げたい考えだ。
Gスクエアの月間来館者は9万999人で、同課が目標に掲げる年間10万人を早くも上回る勢い。GLAYのからくり時計やレリーフを見に来た人が来館者数を押し上げたほか、高校生が勉強などで立ち寄ったり、サークル活動やイベントに使われたりと、にぎわいをみせている。
ライブや展示会などを開けるイベントスペースや調理が楽しめるキッチンスペースは6月の週末予約が埋まっている一方、平日に空きが目立っており、今後は平日の利用率アップが課題となりそうだ。同課は「貸しスペースは、口コミでリピーターが増えてくれれば。若者が気軽に立ち寄れる施設として情報発信に努めたい」とする。
1~3階の無印良品は土日を中心に盛況で、食品が売り上げを伸ばしているという。同ビルと地下通路で結ばれる丸井今井函館店は、シエスタの開業効果で地階の食料品などが好調。同店の山本広行店長は「食品は月間で1割弱の伸びがあった。全館の売り上げ増加には至っていないが、五稜郭に多くの人が集まったという印象を受ける」と話す。
地域の商店街関係者も本町・五稜郭地区のにぎわい復活に手応えをつかむ。五稜郭商店街振興組合の濱谷内吉信副理事長は「昼間を中心に人出が増加し、飲食店からは客が増えたと聞いている」と説明。今後の展望について「シエスタを巻き込み、地域が一体となったイベントを企画してさらに人を呼び込みたい」と話している。(山田大輔、稲船優香)