シルバーシー・クルーズ(モナコ)社のラグジュアリー客船「シルバー・ミューズ」(4万791トン)が3日、函館港若松埠頭(ふとう)に入港し、今年度のクルーズシーズンが幕を開けた。今年度は過去最多となる76回の入港を予定、乗客乗員数は約16万人に上り、地元経済の活性化に期待が掛かる。
76回の入港のうち、4月は最も多い21日間、24船の予定があり、入れ代わり立ち代わり豪華客船が函館にお目見えする。市によると「ポジショニングクルーズ」といい、クルーズエリアとして人気が高いアラスカの最盛期が5~8月で、4月はまだ寒季であることから、日本を周遊する航路が多いという。
シルバー・ミューズは昨年10月以来の寄港で、通算15回目。白と灰色のツートンカラーが船体の特徴で、全室バルコニー付きのスイート、バトラー(執事)サービスも。同社の客船はこれまで2番目に多く函館に入港しており、4日はシルバー・ウィスパー(2万8258トン)、7日はシルバー・ノヴァ(5万5051トン)も寄港する。
乗客乗員981人を乗せたシルバー・ミューズは午前8時に接岸。北米客が約半数を占めており、函館クルーズターミナルでは市内の観光事業者らでつくる「箱館会」のメンバーが「ウェルカム トゥ ハコダテ」と歓迎する横断幕を手に乗客を笑顔で出迎えた。
ターミナルの駐車場には観光バス8台が待ち、ツアーで函館山ロープウェイや大沼に向かうグループや、ガイドの案内で函館朝市、西部地区の散策に繰り出す人も。妻とともに英国から訪れた元看護師のマーク・ジョン・ウェストさん(62)は「函館に来たのは初めて。トラピスチヌ修道院や五稜郭公園に行く」と笑顔だった。(竹田 亘)