4連休の2日目となった23日、函館市内の観光地は、久しぶりに多くの観光客でにぎわった。天候にも恵まれ、国内客を中心に函館朝市など観光地は混雑。東京五輪の開幕や新型コロナウイルス感染拡大で外出自粛が求められる中、夏休みも始まり、観光客が多く訪れ活気があふれている。
〇…函館朝市「えきに市場」の名物「元祖活いか釣堀」は、朝から観光客が行列を作る人気ぶり。従業員の小野寺透さん(60)は「道内客が多いようだ。ワクチンを打ったおじいちゃん、おばあちゃんが孫を連れてきている」と話し、忙しそうにスルメイカをさばいていた。大阪から家族7人で道内旅行中の小学4年生、真鍋颯汰君(9)は「初めて食べたイカわたがおいしかった。身はコリコリしている」と満足そうだった。
朝市内の経営者の一人は「コロナ以前に匹敵する人の多さ。書き入れ時に人が入ってくれてありがたい」と話していた。
〇…五稜郭タワーでは開館時間の午前9時前から、約20人が入り口前に並んだ。同11時半の時点で約1000人が展望台へ登るエレベーターに乗車し、この日は約3000人の乗客を見込む。大場泰郎営業部長は「東京で感染者が増えているため、観光客の減少を懸念したが、意外と道内からのお客さまが多い」と話す。
2日前から一般客が増え始め、エレベーターの乗車定員を30人から15人に制限し、感染対策を取る。札幌から家族と観光で訪れていた主婦、佐藤美佳さん(25)は「初めて函館に来たが、予想以上に人が多いと感じた。感染に気をつけながら楽しみたい」と話していた。
〇…金森赤レンガ倉庫周辺では、多くの家族連れや観光客が訪れ、午前中には周辺の駐車場が満車状態になる所もあり、七財橋付近では一時渋滞も起こった。
観光人力車のサービスを行う「えびす屋函館」には、利用の申し込みが相次ぎ、人力車で港の風景を見ながら周遊を楽しむ観光客も。店長の門馬幸介さん(40)は「久々ににぎわいが戻った。連休中は好天が続くといいですね」と期待した。
家族4人で札幌から来た石神博之さん(39)は「函館は何度も来ているお気に入りの街。飲食や土産店をゆっくり散策し、家族水入らずで楽しい時間を過ごせた」と話した。(山崎大和、木村京子、鈴木 潤)