北海道新幹線が開業する来年3月26日にJR江差線五稜郭―木古内間37・8キロの運行を引き継ぐ第三セクター、道南いさりび鉄道(函館、小上一郎社長)は18日、運行概要を発表した。朝夕の利便性を高めるため、土・日曜・祝日の上磯―函館間の運行本数を現行より2本増やし、平日と同じ37本とする。
全列車が移管後も函館発着とし、JRからいさりび鉄道へ直通運転する。増便するのは、上磯午前7時36分発函館行き、函館午後6時35分発上磯行き。これにより運行本数は平日、土曜・休日とも同数の37本。
また、木古内発函館行きの一部列車の発車間隔について、現行は1時間2分、3時間6分などと大幅に異なっているのに対し、開業後は1時間54分、2時間20分と「なるべく等間隔に近づけ、利用しやすいようにした」(同社)。
全列車がワンマン運転し、七重浜―木古内間は運転士後ろのドアのみを開ける。同社は増便に関し「お客さまに利用してもらいたいので、限りある車両と運転士をやりくりした結果」としている。ダイヤの詳細は来年1月以降に開く沿線住民向けの説明会で示す。
(山崎大和)
JR北海道は18日、北海道新幹線開業に合わせて行う在来線のダイヤ改正について概要を発表した。新函館北斗―函館間を結ぶアクセス列車「はこだてライナー」は16往復32本運行、全ての新幹線と接続し、同区間17・9キロを最速15分で運転する。また、特急「スーパー北斗」「北斗」(函館―札幌間)を現行の9往復18本から12往復24本に増便、ほぼ全ての便が新幹線に接続する。
はこだてライナーは、停車駅が五稜郭のみの快速と、五稜郭、桔梗、大中山、七飯の各駅に停車する普通列車の2種類。32本のうち、函館行き7本、新函館北斗行き6本が快速となる。733系電車を使用し、3両編成(定員441人)で運転。繁忙期は最大6両で運行する。
スーパー北斗は、新たに261系車両を導入。全列車が新函館北斗駅に停車し、函館駅始発の午前6時10分と札幌駅発午後8時の2本を除く11往復22便が、新幹線と接続する。同社は増便による需要予測を明らかにしていないが、「在来線利用客の増加で、収支改善を図りたい」としている。
一方、新幹線開業と同時に寝台特急「カシオペア」
(上野―札幌間)や特急「スーパー白鳥」「白鳥」(新青森―函館間)、急行「はまなす」(青森―札幌間)が廃止となる。はまなすは、札幌―東室蘭間で利用客が多いため、代替便として同区間を結ぶ特急「すずらん」を夜間に増便する。
また、同社の主力気動車「キハ40系」が老朽化し、車両故障による運休、遅延が頻発していることから全道で普通列車79本を減便。函館と長万部を結ぶ函館線は、49本の普通列車のうち4本が全区間または一部区間が廃止となる。(山田大輔)