函館市は1日から、外国人観光客(インバウンド)の旅行全般に関する質問にウェブ上で自動応対する人工知能(AI)チャットボットを、市公式観光情報サイト「はこぶら」の外国語ページ内に設置した。ほとんどの回答はAIが担うが、詳細を必要とする場合は有人で対応する。市国際観光課は「リアルタイムに近い形で必要な情報を発信し、函館のPRに努めたい」としている。
市はインバウンド対応として、函館国際観光コンベンション協会に委託して、市外国人観光コンタクトセンターを観光案内所に2017年に開設。メールやSNSなどで寄せられる質問に答えてきた。業務の見直しでAIチャットボット導入が決まり、9月30日で同センターは廃止した。
導入したAIチャットボットは、ITサービスを提供する「tripla」(東京)に委託。英語、中国語繁体字と簡体字、韓国語に対応し、AIにはこれまで寄せられてきた交通アクセスや観光地などに関する質問を学習させ、紹介すべき既存ホームページなどに誘導する。質問内容を蓄積していくことで、きめ細かいサービスの提供につなげる。また、複雑な質問には有人で対応し、観光情報を提示する。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で入国規制があるため、インバウンドの受け入れには時間が掛かりそうだが、同課は「来年は東京五輪・パラリンピックも開催される。まずは日本に行く準備に活用してもらえれば」と期待している。(小杉貴洋)