ホテル函館ひろめ荘(大船町832、西村晴美総支配人)は24、25の両日、外国人留学生13人を招いた宿泊体験モニターツアーを開いた。同ホテルがある南茅部地区で完結する旅程を提供。縄文文化や函館真昆布など地元の魅力を紹介しつつ、訪日外国人客(インバウンド)向けのサービス拡充を目指したアンケート調査を実施し、より良いおもてなしの形を探った。
同ホテルは、年間宿泊者数が連泊などを含めると1万5000人前後で、リピート率も約80%と高い。ただ、市内中心部でホテルの建設ラッシュが進み宿泊客の流出が懸念されることから、インバウンド対策にも力を入れようと取り組みを強化。元副支配人で、現在はセールスプロモーションなどを手掛ける「モノトーン・ブレインズ」の山田貴久さんの助言もあって、モニターツアーを初めて企画した。
この日は北大水産学部、道教育大函館校に通う欧州やアジア圏の留学生が参加。特産のコンブや海の幸をふんだんに使った夕食や自慢の温泉を満喫し、市縄文文化交流センターの見学などを体験した。初日の夜にあったフリーディスカッションでは、参加者から日本や函館のイメージ、よく利用するインターネットサイト、日本文化で好きなものなどを聞き取り、ツアー終了後にはホテルの印象や縄文文化の認知度などを知るためのアンケートを行った。
山田さんは「調査結果は概ね良い反応だった。何が魅力的で何が足りないかを今後さらに精査していきたい」と話す。同地区に構成資産がある「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録を目指している中、西村総支配人は「ホテルだけではなく、地域と連携して南茅部地区を盛り上げていきたい」と意気込んだ。(小杉貴洋)