ロイヤル・カリビアン社(米国)が運航するクルーズ客船「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」(16万8666トン)が1日、函館港港町埠頭(ふとう)に入港した。函館を訪れた客船では総トン数で過去最大級。巨大客船を一目見ようと、岸壁には朝早くから大勢の市民の姿がみられた。
同船は全長約347メートル、全幅約41メートル。4月26日に中国の上海を出発。下関、新潟などを経て寄港した。
迫力ある客船が徐々に近づくと、見守った人たちからは「すごい」「ビルみたい」と驚きの声が上がった。函館市桔梗町の無職、藤田正雄さん(68)は「クイーン・エリザベスも重厚な感じで良かったけど、この船のスケールの大きさにはびっくり」と興奮した様子で話した。
下船準備が整うと、中国人客ら約5000人の乗客の多くが、岸壁に待機していた大型バス約80台に続々と乗り込み、市内観光に繰り出した。
船内であった初寄港の記セレモニーで、片岡格副市長は「函館に寄港した最大の客船で大きさに圧倒されるとともに、お迎えできたことをうれしく思う」と歓迎。エリック・スタンダル船長は「今後も寄港の機会を設け、函館とこの船の関係を深めたい」と応じた。
これまで函館に寄港した客船では「ダイヤモンド・プリンセス」(11万5906トン)が最大。市は昨年度、17万トン級の客船受け入れに向け、係留設備の強化工事を完了させた。市によると、来年度も17万トンクラスの客船の入港予定があるという。(山田大輔)