セレブリティ・クルーズ社(米国)の「セレブリティ・ミレニアム」(9万963トン)と、アザマラ・クラブ・クルーズ社(同)の「アザマラ・クエスト」(3万277トン)が29日、函館港に相次いで入港した。昨年10月の若松埠頭(ふとう)暫定供用開始以降で客船の同時寄港は初めて。函館市杉並町の遺愛女子中学高校(福島基輝校長)ではツアーで訪れた両船の乗客をもてなそうと、生徒が日本文化などを紹介した。
3年連続で函館寄港を果たしたセレブリティ・ミレニアムは港町埠頭に午前6時半ごろ接岸。アザマラ・クエストは16日に続く入港で、若松埠頭に同8時10分ごろ接岸した。両船を合わせ約2800人の乗客の多くは、各埠頭で待機していたシャトルバスやタクシーに乗り、快晴の下、函館観光を堪能した。
ツアーでクルーズ船の乗客が同校を訪れるのは3回目。同校は客船寄港時に通訳ボランティアを10年以上続けるなど、乗客をもてなす活動を続けている。この日は、吹奏楽局が歓迎の演奏を披露したほか、英語科の生徒が中心となって書道やイラストを紹介した。
浴衣の着付け体験は大人気。アザマラ・クエストの乗客で夫と訪れたスコットランド人のパトリシア・ブラックさん(72)は、水色の浴衣をまとい「とてもいい思い出になった」と満足。着物姿で着付けを手伝った英語科2年の竹之内祐圭さん(16)は「初めての企画だったが、喜んでもらえてよかった」と笑顔で話した。
両船は、同日夕方以降に函館を出航し、次の寄港地に向かった。(山田大輔)