函館市内の主要観光施設の2017年度上半期の入込数は、北海道新幹線の開業ブームに沸いた昨年を軒並み下回った。多くの施設で開業前の15年の数字は上回ったが、一部では夏の繁忙期を過ぎて伸び幅が鈍化しており、新幹線効果の持続に向けて冬場は正念場となりそうだ。
五稜郭タワーの搭乗者は前年同期比12・7%減の58万3398人。海外客が堅調だった一方で、昨年好調だった東北、関東の利用客が3割ほど減少した。大場泰郎営業部長は「おととしと比べると全体では2割近く上回っている。何とかこの水準を維持したい」と話す。
函館山ロープウェイの利用者は同10・1%減の95万7991人。天候不順による運休が例年以上に発生し、新幹線開業前の15年と比べても3%下回った。
旧函館区公会堂の入館者は同11・5%減の10万8169人で、団体客の利用が落ち込んだ。4~8月は月間平均でおととしを約800人上回るペースだったが、9月はマイナスに転じたといい、佐久間浩志館長は「冬の閑散期がどうなるか今から心配だ」と不安な心境をのぞかせる。
箱館奉行所の入館者は同7・1%減の12万947人。おととしとの比較では15%上回っており、市文化財課は「想定内の数字だ」としている。(山田大輔)