北海道新幹線の開業効果を持続させ、入込客の高止まりを図ろうと、函館市やホテル関係者は情報発信を強化する。毎年冬場に落ち込む観光客を底上げするため、市はポスターとガイドブックで函館の冬の魅力をPR。函館ホテル旅館協同組合(遠藤浩司理事長)は、函館、近郊の体験メニューがひと目で分かるパンフレットの配布を始め、旅行客の滞在日数増加につなげる狙いだ。(山田大輔、三好若奈)
同組合は「函館でしたい27の体験」と題したパンフレットを3万部発行。いかめし作りをはじめ、自然を満喫できる乗馬やカヌー、漁船クルージングなど多様な体験をA3版にまとめた。観光スポットや映画のロケ地、歴史的建造物などを巡るガイド付きのまち歩きもあり、いずれも当日または前日までに予約する。
プログラムごとに内容や料金、所要時間などを掲載。申し込みの窓口は同組合に一本化した。加盟する宿泊施設や観光案内所などで配布している。
遠藤理事長は「着地型観光を提案することで、宿泊日数を伸ばすきっかけになる。旅行会社を通じて修学旅行生にも活用してもえられば」と話している。問い合わせは同組合(0138・85・8686)へ。
函館市は、夏場に比べて客足が伸び悩む冬季の集客増へ向け、新たなポスターとガイドブックを作った。
「函館冬季観光誘客事業」の一環で、業務を委託する業者を4月に募集し、企画案などを基に選考。6月に契約した、電通北海道函館支社(代表)と北海道ジェイ・アール・エージェンシー、リクルート北海道じゃらんの3社で構成するグループが作成した。
キャッチフレーズの「冬に恋。函館」は、冬の函館を好きになってもらおうと、「来い」と「恋」をかけた。デザインには五稜郭や金森赤レンガ倉庫のイルミネーションを使用した。
ガイドブックは12ページ。今年で20回目の「はこだてクリスマスファンタジー」をはじめとした冬のイベントのほか、グルメ情報などを掲載。同グループが函館・近郊の40店舗に依頼して実現した11月からの限定メニューも盛りだくさん。
ポスターはB1版が2種類で各400枚、ガイドブックはA4判で約6万部作った。それぞれ市内の宿泊施設や観光案内所に置くほか、ガイドブックはイベントに訪れた観光客などにも手渡す。市観光推進課は「澄んだ夜景が見られるのもこの時季だからこそ。冬の函館は寒いだけではなく、魅力にあふれていることを伝えたい」としている。