道運輸局は6日、函館朝市(若松町)で外国人旅行者を対象に、土産品の販売促進に向けた実証実験に乗りだす。朝市を訪れる外国人旅行者が急増する一方で、カニなど水産物を扱う店舗の売り上げが伸び悩んでいる現状があり、外国人旅行客にアンケートを行うことで、課題を把握し、土産を買いやすい環境をつくるのが狙いだ。
朝市側から、外国人への水産物の販売が進んでいないとの声を受け、運輸局が函館朝市協同組合連合会(井上敏廣理事長)と三井住友カード(東京)と連携し独自に支援する。一般的に、日本は自国に持って帰れるかどうかの検疫情報の不足、クレジットカード決済ができないなどの課題が指摘されている。
中華圏の正月にあたる春節期に合わせ、訪日外国人が増える6、8、11、12の計4日間にわたってアンケートを実施。調査員4人が朝市内を巡回し、英語または中国語(繁体字、簡体字)で書かれたアンケートを4日間で200人分集める予定。検疫情報やカード対応、「Wi―Fi(ワイファイ)」環境など買い物する際に必要な条件などを聞く。
また、検疫や決済に関する情報を分かりやすく説明したリーフレット(英語、中国語)も8000部作り、期間中、外国人旅行客に配る。
今月下旬には、朝市の販売店(店主)へのアンケートも行う方針。運輸局観光部は「何がネックで、どこを改善すれば売り上げが伸びるのか検証したい。接客や商品表示での多言語対応に問題があるとの声も多い。函館朝市をモデルに、外国人旅行客の利便性が高まることで、全道の市場、商店街に波及させたい」という。
函館市経済部商業振興課の柏弘樹課長は「実験は朝市の販路を拡大すること、ひいては函館の経済活性化につながる試みで、期待している」と話している。(山崎大和)