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道新幹線 最速4時間2分、JR北、新函館北斗ー東京間

 JR北海道は3日、来年3月26日に開業する北海道新幹線について、新函館北斗―東京間の最速時間を4時間2分とする方針を固め、与党に説明した。地元自治体などは3時間台の走行を求めてきたが、貨物列車との共用走行区間を持つなどの特徴から、安全性と定時運転を最優先した。詳細なダイヤは今月中旬に発表される。



 東京都内で同日開かれた、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの勉強会で同社の西野史尚副社長が報告した。
 同社が計画するダイヤ案によると、最短所要時間で運転する列車は、東京発午前8時台となる予定。東京―新青森間を現在の最速時間である2時間59分で運行。乗務員交代のため新青森駅で2分停車し、同駅から新函館北斗駅までは1時間1分で運転する。奥津軽いまべつ、木古内の両駅は通過する見通しだ。
 新函館北斗―東京間の所要時間をめぐっては、移動時間が4時間を超える他地域で、利用者が航空路線を選択する傾向が強くなることから、新幹線と飛行機の利用の分岐点を示すとされる「4時間の壁」を破れるかどうかが焦点となっていた。
 北海道新幹線(新函館北斗―新青森)は全長約149キロのうち、青函トンネルを含む約82キロが貨物列車との共用走行区間となる。このため、貨物列車とすれ違う場合は最高速度を260キロから140キロまで落とさなければならない。
 関係者によると、新函館北斗―新青森を57分程度で走行することは可能だが、定時運行確保のためには、天候要因などによる徐行要素などを考慮した「付加時分」を確保する必要があるという。
 北海道新幹線は、積雪寒冷地や高温多湿の青函トンネル内の走行に加え、貨物列車との共用走行という全国初の特徴を持つことから、同社は付加時分を多めに取る必要があると判断。3時間台の運転を断念した。
 同社は、開業後2年以内に新幹線と貨物列車の運行時間帯を調整し、共用走行区間での最高速度を200キロまで上げ、約20分の時間短縮を目指す考えだ。
      (山田大輔)
 北海道新幹線開業に際して焦点となっていた新函館北斗―東京間の最速時間は、4時間切りとはならなかった。利用者へのアピールに向けて3時間台の運行を望んでいた沿線自治体や地元経済界からは、JR側の安全を最優先とする考えに一定の理解を示しながらも、落胆の声が相次いだ。
 工藤寿樹函館市長は「残念な思いはあるものの、北海道新幹線がこれまでの新幹線と異なり、在来線との共用区間を有するなど、まずは安全性を優先した決定と受け止めている」とし、「青函共用走行問題の抜本的な解決を図っていただきたい。市としても諸課題解決について引き続き要望していく」とコメントした。
 高谷寿峰北斗市長は「JR北海道が今回少しでも時間短縮に努力したことは評価したいが、4時間を切ると切らないのでは、やはりインパクトが違い、残念な気持ちもある」とした上で「国がとりまとめた『青函共用走行問題に関する当面の方針』にあるように、2018年春までには必ず3時間台の走行を実現してほしい。また、1日1往復だけでなく複数となることを望む」と注文した。
 大森伊佐緒木古内町長は「木古内―東京間が4時間を切ることは確実だが、新幹線の速達性と安全性を考慮した結果であれば、(新函館北斗―東京間で)木古内駅を通過する本数が多くのなるのではという不安感が募る」と懸念を示す。
 経済、観光関係者も複雑な心境をのぞかせる。函館商工会議所の松本栄一会頭は「安全性を確保したいという考えは理解できる」としながらも、「何分かの違いではあるが、3時間台と4時間ではイメージが全く違う。新幹線の最大の特徴である速達性を発揮できないのは、開業ムードに水を差す恐れがある」と話す。
 函館国際観光コンベンション協会の渡邉兼一会長は「公共交通の最大の目的である、お客様を安全に目的地まで運ぶということを最優先したと受け止め、来年3月26日の一番列車到着を待ち望みたい」とした。
 (山田大輔、今井正一、山崎大和、斎藤彩伽)
 【解説】新函館北斗―東京間の最速時間は、安全面と定時運行を最優先したいというJR北海道の判断から、3時間台での運行は見送られることとなった。わずか数分の違いではあるが、最速3時間台を売り文句に誘客を図ろうとしていた地元関係者は、想定よりも少なかった運行本数に続き、2度目のショックを受けることになった。
 同区間の所要時間をめぐっては、JR北海道が昨年4月に示した「4時間10分」とする見通しに対し、沿線自治体や地元経済界が反発。1日1往復に限った3時間台での運行を強く求めていた。
 地元の声を受け、政府与党プロジェクトチーム(PT)は国土交通省と協議し、さまざまな案を検討。一度はJR幹部が3時間50分台の運行が可能だとする考えを明らかにしていた。
 ただ、不祥事や車両トラブルが相次ぎ、「安全再生」を掲げるJR北にとって、新幹線の安全運行は絶対条件となる。運行時間に余裕を持たせ、速達性よりも定時性を確保したいという同社の意向が、最終的に政府・与党を押し切った形と言える。
 今月中旬には詳細なダイヤが発表される。今後の焦点は、地元官民が北関東からの集客を狙ってJR側に要請してきた宇都宮駅停車の有無や、木古内駅の停車本数へと移る。
 木古内町の関係者は「停車本数が在来線特急本数の10本から大きく下回ることがあれば、影響は計り知れない」と危機感を募らせる。函館市内の経済界のトップの一人は「宇都宮駅停車に関しては厳しい話が伝わってくる。地元の要望がことごとく打ち砕かれ、おめでたいムードが吹き飛びはしないか心配だ」と不安を口にする。
 新幹線開業を道南の発展につなげる戦略は多くの面で再考を余儀なくされそうだが、数々の試練をどう乗り越えるか、地元関係者の力量が問われている。
      (山田大輔)










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