【福島】第22回福島町「千軒そば」の花観賞会が1日、町千軒のそば畑で開かれた。実りの秋を祝って無数の白い花が咲く中で国の重要無形民俗文化財の松前神楽が奏上され、客席から「ようそろー(良き候)」と掛け声が飛んだ。
千軒そば生産会、町千軒地域活性化実行委員会(共に佐藤孝男会長)の共催。約100人が来場し、鳴海清春町長や冨原亮道議会議長も足を運んだ。
松前神楽は福島町松前神楽保存会の7人が担った。五穀豊穣を祈念する「福田舞」、観賞会では初披露の長寿を祝う「千歳(せんざい)舞」、海鳥のしぐさを山の神に伝える「山神舞」など7座を奏上。福島大神宮宮司で保存会の常磐井武典会長が解説を加えた。
巫女舞の「八乙女(やおとめ)舞」は高校時代から神楽に取り組む町内の会社員、湊由佳さん(18)と公務員の由季さん(同)の姉妹が披露。朱色の鮮やかなはかま姿が景観になじみ、ひときわ大きな声援が送られた。
観賞会来場が長年の念願だったという札幌市の高橋瑛子さん(77)は友人と2人で訪れ、「天候が悪ければそばの花だけでも見て帰ろうかと思っていましたが、松前神楽を見ることができて大感激。来たかいがありました」と喜んだ。
来場者にはジャガイモやカボチャ、そばも振る舞われ、チーム対抗で争われた丸太切り競争も会場を盛り上げた。(今井正一)