【上ノ国】町中須田の道道江差木古内線南側に広がる京谷作右衛門さん(78)方の田んぼで、穂のついた稲わらの束を積み上げ自然乾燥させる作業が始まった。21日までに45基の円錐形をした稲積(にお)が並び、同地区の秋の風物詩がお目見えした。
馬の飼育にわらを使い、馬ふん堆肥で化学肥料を低減させる循環型農業に取り組む京谷さんは今年、約420アールの田んぼに道南ブランド米「ふっくりんこ」と「ななつぼし」の2品種を栽培。このうち約180アール分を昔ながらの手法で乾燥させる。20日から作業が始まり、昨年と同じ65基程度を仕上げる予定。
三角錐(すい)形状に組んだ3本の支柱に、穂が内側になるようにわらを重ねて、高さ約2メートルまで積み上げる。冷たい北風に当たるほどうま味が増すといい、風を取り込む稲積の開口部はすべて、北側に設けている。
今年の稲の生育について、京谷さんは「好天に恵まれたおかげで上々の出来。例年よりさらに、味も期待できる」と笑顔で太鼓判を押す。脱穀は3~4週間後の10月中ごろから。今年も町のふるさと納税返礼品などとして出荷する予定という。(入江智一)