【江差】町内での岩ノリ摘みが24日、かもめ島で今シーズンの初日を迎えた。ひやま漁協江差支所海苔部会(辻裕樹部会長)のメンバーが、島の東側に広がる「千畳敷」で冬の荒波にもまれ育った「寒海苔」を採取した。
初日を23日としていたが、波の影響で1日延期。この日は30代から90代の作業者15人が午前8時、島上部の「江差追分節記念碑」前に集まった。辻部会長が「ケガのないように気をつけましょう」とあいさつし、岩場に張られたロープを伝いながらノリが自生する千畳敷へ降り、採取作業を始めた。
採取には、L字型の金属製の棒がついた各人手作りの「カギ」と呼ばれる道具を使用。腰をかがめしゃがみこんだり、膝をついたりしながらカギで岩場に付いたノリを引っ掛け、皮をめくるかのように剥がして採取していた。
かもめ島の岩海苔は、ミネラルたっぷりの火山岩で形成された岩場に自生し、磯の香りが強くておいしいのが特徴といい、辻部会長は「昨年からの冷え込みのおかげで、今年の生育は良さそう。今後も安全第一で作業に取り組みたい」と話していた。摘み取り作業は3月中ごろまで続く。(入江智一)