函館市は18日、LGBT(性的少数者)への理解を促進する啓発パンフレットを作成した。また、22日から市役所本庁舎1、8階にある多機能トイレを「だれでもトイレ」と表示し、男女共用に変更する。LGBTなどの性的少数者を支援する具体的な取り組みは、道南の自治体では珍しい。
市は、昨年3月に策定した第3次市男女共同参画基本計画はこだて輝きプランの主要施策の一つに「性的少数者への理解の促進」を盛り込んでいる。パンフは具体化の一環で3000部を作成、市内公共施設や学校、函館商工会議所、スーパー、病院などに置く。市ホームページ(HP)でも、20日に公開を始める。
内容は①LGBTとは②日本でのLGBTの割合③LGBT当事者に対し配慮すべきこと④性の多様性⑤相談窓口―を掲載。特に割合は8・9%(11人に1人)いるとされ、身近に少なからず存在することを強調している。A4判3つ折り、全カラー。
一方、多機能トイレはスペースが広く、オストメイト(人工肛門・ぼうこう保有者)や車椅子利用者などが利用できる。現在は1階と8階に男女それぞれ1カ所あるが、22日からは扉にステッカーを貼り「だれでもトイレ」として性別に関係なく使用できる。
市は「だれでもトイレ」の使用に合わせ、22日から市HP上にアンケートフォームを作り、ウエブアンケートを5カ月程度実施する。利用しやすさや表示をどう感じるかを回答してもらい、結果を今秋までにまとめ、公共トイレの在り方に生かす。
市市民・男女共同参画課は「まずはLGBTの存在を知ってほしい。行政として生きづらさをサポートするとともに、LGBTを受け入れる社会づくりに向けた地ならしをしたい」としている。(山崎大和)