函館市は4月1日から、市役所庁舎(4支所含む)の建物内禁煙に踏み切る。本庁舎はこれまで地下の喫煙室(約21平方メートル)で完全分煙を行ってきたが、屋内喫煙は廃止する。替わりに西側駐輪場の一部を改修し喫煙場所(約35平方メートル)として使う。職員は勤務時間外しか利用できなくなるため、愛煙家の肩身はますます狭くなりそうだ。
官公庁の建物内禁煙を義務付ける健康増進法改正案や、道が受動喫煙防止条例を検討するなど、禁煙をめぐる議論を高まったことを受け、市も建物内禁煙を決めた。工藤寿樹市長の意向も反映した。新たな喫煙スペースは、2カ所ある西側駐輪場のうち庁舎側1カ所に半透明の板を張り付けて設ける。屋根が付いており、雨天時や冬季でも利用できる。
基本は来庁者のための対応で、職員は庁舎外に出ることになるため勤務時間外のみ利用可。ただ、違反しても罰則はなく「職員のモラルに頼るしかない」(市総務部)という。4支所は支所ごとの対応に任せる方針。
本庁舎では、もともと職場で喫煙できたが、時代の流れとともに各階2カ所での空間分煙(のちに1カ所に半減)となり、正面玄関を入って左側に完全分煙の個室を併用していた時代もあった。その後、2011年8月に現行の地下喫煙室を設け、建物内での完全分煙を続けていた。喫煙室廃止後の利用方法は未定。
市総務部によると、4月を控え、今から禁煙を始める職員もおり「喫煙する職員が減るかもしれない」とみている。喫煙者が減ると、市のたばこ税の税収も減るが、たばこに起因する疾病が減り、医療費の削減にもつながる可能性も。同部は「職員が率先して健康増進を図るための措置」と理解を求めている。(山崎大和)