函館市は、2025年度の函館港への大型クルーズ船の入港回数が、過去最多の80回になるとの見通しを明らかにした。これまでは2月の入港予定を含めた24年度の59回が最も多く、2年連続で更新する。市が力を入れる積極的なプロモーション活動の成果が実り、より一層の地域経済の活性化が期待される。
クルーズ船の入港は、19、23年度の47回を上回り、24年度に道内で最多を記録。市によると、増加した要因として、大泉潤市長らが24年2月に行った東京の船会社に対するトップセールスや、同4月には市職員が米国で開かれた船社が集まる商談会「シートレード・クルーズ・グローバル2024」に参加し函館をPR。このほか、青森県と連携し企業を招き、相互の港の魅力を一体的に発信するツアー「ファムトリップ」で、地域の周遊をプレゼンテーションするなど、プロモーション活動に力を入れた。
また、23年度に若松埠頭(ふとう)にクルーズ船用旅客ターミナルを整備したことで、函館朝市や西部地区の観光地が近く、2次交通が発達した立地条件が良いエリアに船が寄港するようになったことも大きいとしている。
25年度に入港を予定するクルーズ船の8割は外国船で、春~秋の入港が一層増え、2船が若松と港町の両埠頭に同時寄港する貴重な場面も多くなる見込み。
市港湾空港振興課は、今後も船社を個別にプロモーションするなど、さらにPRを強化するとした上で「地域の魅力が大きなセールスポイントで、取り組みの成果が実った。観光施設や飲食業への経済波及効果に期待したい」と力を込める。
市はクルーズ船の入港について、3月上旬に正式発表する。(竹田 亘)