函館市議会第2回定例会は12日、一般質問を続行し、5人が登壇した。市病院局は、渡島、桧山管内をカバーする道南ドクターヘリ(ドクヘリ)について、市立函館病院(港町1)を離着陸拠点にする屋上駐機運航を11日から本格実施したことを明らかにした。函病スタッフがドクヘリ未出動時に函館空港で待機する必要がなくなり、院内業務を行うことが可能となった。
池亀睦子氏(公明党)の質問に、深草涼子病院局管理部長が答えた。
道南ドクヘリは2015年2月16日に運航を始め、出動件数は15年度が286件だったのに対し、21年度が過去最多の466件、22年度が442件、23年度が415件と推移。市内に限ってみると21年度が31件、22年度が24件、23年度が31件となっている。ランデブーポイント(救急車とドクヘリの合流地点)は現在、道南で302カ所、うち市内は95カ所。
深草部長は「道南ドクヘリは、病院への搬送実績のうち、30分以内に診察が必要な患者の割合が直近3年間で言うと、全体の99%を超すほか、重症度が中等以上の割合は90%前後と高い。ドクヘリは早期に初期治療を開始でき、短時間で医療機関への搬送が可能となることから、救命率の向上や後遺症の軽減に大きな効果がある」と評価。
医師の働き方改革の中で、スタッフが函館空港格納庫内の事務室で待機しなければならない課題があったが、函病の屋上ヘリポートに駐機する試験運航を経て、屋上駐機での運航を本格実施。搭乗スタッフの院内業務の対応や、ドクヘリ要請から現場到着までの時間短縮ができるようになった。
能登半島地震などを受け、災害時でのドクヘリ活用を問われ、深草部長は「ドクヘリは救急医療に対応した装備となっており、災害時は、防災ヘリで救助した人をドクヘリが引き継ぎ、治療を行いながら医療機関へ搬送することになる」との見通しを示した。ランデブーポイントは市総務部や消防本部などと連携しており、災害時も被害状況に応じた柔軟対応が可能だとした。(山崎大和)