右折が可能な丁字路交差点で右折した車を「右折禁止」と誤認して函館中央署などの警察官が取り締まったとして、道警函館方面本部は15日、2019年9月20日から21年6月1日までに、同交差点で誤った取り締まりが17件あったと発表した。同本部は該当者に連絡を取り、反則金の還付などを進めている。
誤った取り締まりがあったのは、函館市本通1の市道本通中央線と交わる丁字路交差点。函館本通中学校のそばで、6月1日に同交差点で右折して摘発された人が、同7日に中央署に申し立てたことで発覚した。
この丁字路のすぐそばには、本通中央線を花園方面から美原方面へ進行する車に対し、左折を禁止する「指定方向外進行禁止」の標識が設けられた、もう一つの丁字路交差点がある。警察官はこの標識を、今回誤った取り締まりが行われた交差点に対する右折禁止を示すものと誤認し、取り締まりを行っていた。
これを受け同本部では、交通課に保存されていた15年以降の交通反則切符約19万件を改めて確認。その結果、申し立てのあった件を加えた17件17人が、同所で誤って摘発されていた。同課は「違反点数を抹消する手続きを行い、該当する人には直接謝罪し反則金を還付する手続きを進めている。これにより免許証の再作成が必要な人が3人おり、郵送や直接届けることで対応したい」としている。交通反則切符が確認できない15年以前の誤摘発については「個別に対応したい」としている。
再発防止策として同所では15日までに、同標識の下に黄色い警戒標識を設置。標識が示す丁字路を分かりやすくしている。同課は「大変申し訳なく思う。同じことを繰り返さないよう、函館方面公安委員会の意志決定の再確認などを行い、再発防止を徹底したい」としている。
道警では道路標識や交通規制について、「標識が見にくい」「交通規制の内容がわかりにくい」といった意見を、メールやはがき、電話で受け付けており、利用を呼び掛けている。(野口賢清)