函館商業高校(古室信行校長)の会計ビジネス科3年、北原萌果さん(18)が、電卓技能検定試験(日本電卓技能検定協会主催)の初段から十段までを段階的に合格した人に贈られる「電卓士」の称号を取得した。道内では6人目、同校では5人目の快挙となった。(飯尾遼太)
同検定は乗算、除算、見取り算、伝票算の4部構成で2400点満点。得点によって段位が決まり、受験時に目標段位をあらかじめ申請。その段数に達することで取得が認められる。初段から十段まで2段ずつ、正士(初、二段)、速士(三、四段)、正速士(五、六段)、教士 (七、八段)、範士(九、十段)の5つに分けられ、これらすべてを取得すると「電卓士」が授与される。
同科では1年生で全員が1、2級に挑戦し、その後の受験は任意。北原さんは入学時に教員から電卓士の説明を受け、卒業までに取得することを目標に挑戦を続けてきた。1年生の9月に速士四段、2年生の5月に正速士六段、同7月に教士七段を取得。順調に段位取得を進めたが、九段挑戦で足踏み。検定では4部それぞれに設けられている合格基準点を満たす必要があり「どこを解いたら得点できるのか、解答の順番を模索しながら毎回の試験に臨んだ」と苦悩の日々を振り返る。
今年度に入ってからは新型コロナウイルスの影響で臨時休校もあったが、自宅で対策を重ね、昨年9月、3回目の挑戦でついに範士九段に合格。今年2月に正士を取得し、見事「電卓士」の称号を手にした。
北原さんは「ずっと目標にして頑張ってきたので、とてもうれしい。受験を続ける中であきらめず、挑戦し続けることの大切さを学んだ」と笑みを浮かべる。全国でも高校在学中の取得は11人目という偉業に古室校長も「努力を積み重ねてきた結果で本当に素晴らしい」とたたえる。
4月からは札幌の大学に通い、商学系の学部で学ぶ北原さんは、「電卓のスキルや簿記の知識など高校での学びを社会人になっても生かしていきたい」と抱負を語る。