函館聾学校(海田俊昌校長)で10日、同校の卒業生でモデルやダンサーとして活躍するNyanko(本名・寺田えり)さんの講演と手話パフォーマンスイベントが開かれた。市民ら約100人を前に「夢は諦めなければかなう」と実体験を交えながら励まし、手話歌で元気づけた。
Nyankoさんは函館市出身で中学部まで同校で過ごし、市内の高校を卒業後に上京。女優として映画「バベル」に出演したほか、聴覚障害者のミスコンテスト世界大会で優勝経験もある。
学生時代にいじめに遭い、苦しいときは好きだった陸上が支えになったと振り返った。ヒップホップダンスでは音響機器の振動を確かめながら踊っていた経験談などを披露し、「辛いことも好きであれば乗り切れる」と前向きな姿勢を示した。また、モデルとして有名カメラマンに見出されたことで世界が広がったとし、「頑張っていれば必ず誰かは見てくれる。しかし、一人だけでは限界がある。成功するには良き理解者と協力者が必要」と話し、関係者に謝意を伝えた。
その後は、最近力を入れている音楽に合わせて手話で歌詞の世界観を表現する手話歌を披露。感情豊かなパフォーマンスに来場者が酔いしれていた。(小杉貴洋)