道南の公立高校と函館市内の一部の私立高校で1日、卒業式が開かれた。在校生や教職員、保護者らに見守られながら卒業生は式に臨み、思い出を噛み締めながら学びやを巣立った。(小杉貴洋、柳元貴成)
3年間の経験胸に全力 函水
〇…函館水産高校(野呂俊夫校長)では、本科140人の第70回卒業式と、卒業後に専攻科で2年間学んだ8人の第41回修了式が行われ、新たな一歩を踏み出した。
卒業・修了する計148人に対し、野呂校長が卒業証書を手渡して、「在校中はたくさんの喜びや葛藤があったと思うが、乗り越えて卒業の日を迎え敬意を表する。自信と誇りを持って地域や日本を支える人材になってほしい」とエールを送った。卒業生を代表して水産食品科の伊藤和紗さんが「3年間を通じて大きな成長を実感している。環境は大きく変わるが函水で過ごした経験を胸に全力で頑張りたい」と決意表明。専攻科機関科の山崎悠真さんも「ここで手にした大きな経験と財産を糧にして後輩の模範となることを誓います」と宣言した。
感謝の気持ち忘れずに 遺愛女子
〇…遺愛女子高校(福島基輝校長)では、第70回卒業礼拝式が同校アリーナで開かれた。卒業生228人が慣れ親しんだ母校に別れを告げた。授与式では、福島校長から一人一人に卒業証書が手渡され、感極まって涙を流す生徒や保護者、教員の姿も見られた。福島校長は「進むべき道は1つとは限らず、学ぶことに早いも遅いもない。これからは隣人を大切にし、愛のために生きて」とあいさつ。
卒業生を代表して普通科特別進学コースの桜井佳奈さんが「勉強だけでなく行事でも真剣に競い合うことができた恵まれた環境で過ごす日々が今日で最後だと思うととても寂しい。これからも家族に感謝の気持ちを忘れずに生きていきたい」と涙を浮かべながら答辞を述べた。