函館水産高校(亀山喜明校長)は18日、函館から密出国して渡米後、同志社大(京都)を創立した新島襄(1843~1890年)をしのぶ会を、函館市大町の「海外渡航の地碑」前で開いた。生徒2人が新島の偉業を学び、来年には脱国寸劇や、函館マラソンで碑周辺でランナーの応援をすることを誓った。
参加したのは、3年の土岐夏稀さん(18)と2年の佐藤瀬里菜さん(16)。同校時間講師、我妻雅夫さんが新島の人物像について解説した。我妻さんは、新島が札幌農学校(現北大)で有名なクラーク博士と交流があったことを説明し「北海道、函館と関わりが深い」と強調した。
佐藤さんが同校敷地のユリの花を碑に手向け、全員で讃美歌312番を斉唱。佐藤さんは「新島襄の名を知る良い機会になった。活動を後輩たちにつないでいきたい」と話した。
同校は「海の日」にちなみ、新島の出国時の場面を再現する寸劇を碑前で毎年披露してきたが、コロナ禍で昨年、今年と2年続けて中止。函館マラソンも2年連続中止となり、オフィシャル応援もできなかった。
新島は国の将来を憂い、海外に新しい知識を求め、1864年6月14日、函館の港から日本を脱出した。(山崎大和)