戊辰戦争の最後の戦地となった五稜郭を後世に伝える「第47回箱館五稜郭祭」(協賛会主催)が21日、2日間の日程で開幕した。初日は箱館戦争ゆかりの地を巡る「碑前祭」や「土方歳三コンテスト全国大会」が行われた。
碑前祭は「中島三郎助父子最後之地」碑(中島町)、「碧血碑」(谷地頭町)、「土方歳三最期之地」碑(若松町)、「五稜郭タワー箱館戦争供養塔」で行い、戦没した無名兵士らの冥福を祈った。
午後から五稜郭タワーアトリウムで記念式典、引き続き今年で29回目となった土方歳三コンテスト全国大会を開催。今年は函館や道内のほか関東、福岡県から20~48歳の21人(男性15人、女性6人)がエントリー。本紙で連載中の漫画「幕末観光ヒジカタ君」のヒジカタ君も審査対象外で初出場した。
出演者は、土方が最期を迎える場面を、自身で考えた演出でパフォーマンスを披露。容姿や演技、土方への思い入れなどが審査され、優勝は地元ケーブルテレビ局「NCV」のアナウンサー高橋ともみさん(26)が初出場で見事に栄冠に輝いた。
高橋さんは出身地札幌で演劇活動をしていたといい、凛とした雰囲気を醸し出す中、勇ましい殺陣と、はっきりとしたせりふの言い回しが高く評価された。高橋さんは「出るからには優勝と思っていたが、まさかという気持ち。コンテスト出場を通して、あらため土方が愛されている理由が分かった」と話した。
22日は午後1時から「維新行列・音楽パレード」で、本町の行啓通りでは旧幕府軍と新政府軍の戦闘シーンが繰り広げられる。同3時ごろから五稜郭公園の特設ステージで「開城セレモニー」を行う。(山崎純一)